ふるさと納税の仕組みからやり方まで
- 2016.12.25
- ふるさと納税

ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税と聞いたことはあるけれど、
「内容がよく分かっていない」
「やり方が良く分かっていない」
「面倒なんじゃ…」
などと思っている方に、できる限りわかりやすく、説明いたします。
そして、ぜひ、ふるさと納税にチャレンジしてみてください。
ふるさと納税とは?
自分の好きな自治体を自由に選んで、お金を「寄付」し、見返りに「返礼品」をもらい、「税金も控除(減税)される制度」です。
例えば、東京都にすんでいるAさんは、ふるさと納税を利用して、新潟県に、1万円ほど寄付をして、特産品のコシヒカリ、5000円分を返礼品としてもらいました。その結果、東京都に支払う税金が、8000円減税されました。そうすると…
5000円(返礼品) + 8000円(税金控除) = 13000円
13000円 - 10000円(寄付での支払) = 3000円
で、Aさんは、3000円分、得をした。という感じです。
税金控除については、寄付金から、一律2000円はマイナスされることになっており、この2000円は国に直接収められます。なので、例えば、10万円寄付した場合、98000円の減税、5万円の場合、48000円の減税になります。
100000円 ー 2000円 = 98000円の税金控除
50000円 ー 2000円 = 48000円の税金控除
※ ただし、税金の控除額には上限があります。また、収入や、家族構成により、金額も変化します。上限の控除額を超えると、実質負担金が増えることになるので注意が必要です。
ふるさと納税のメリット、デメリット
メリット(利点)
① 寄付した自治体から特産品などの「返礼品」がもらえる。
② 寄付金を基にして、住んでいる自治体に納める税金が控除される。
デメリット(不利な点)
① 手続きの手間が発生する。
もともと、ふるさと納税の狙いは、大都市に集中してしまう税金資金を、なるべく地方にも流れるようにして、自治体運営資金として、有効に活用してもらおうという目的で始まりました。地方自治体は、大都市に比べると、人口も、企業も少ないので、どうしても、税金収入が少なくなり、格差が発生します。この差を少なくするために始まった「ふるさと納税」ですが、好きな自治体を選ぶという形をとっている以上、問題もあります。
その問題とは、競争精神が、裏目に出て、ふるさと納税の「返礼品」に力を入れすぎて、赤字になったり、「返礼品」が特に有名なモノが多く、寄付金が集まる自治体と、集まらない自治体で、さらに格差ができてしまうなど、自治体側に不都合が起きてしまうことも事実で、実は、これが最大のデメリットと言えます。
しかし、寄付する側に大きなメリットがなければ、利用者が増えず、資金が集まらないため、寄付する側にとっては、非常にお得な制度なのは事実です。
ふるさと納税の実際の申し込み方法
ここでは、インターネットを使って、手続きをする方法をご紹介します。
1. まず、寄付する自治体を選ぶ。
はじめての方は、まず、「返礼品」から選んでみてはいかがでしょうか。
「返礼品」については、『さとふる』というサイトが便利ですので、「さとふる」でのやりかたを説明します。
「人気ランキング」で、どんな「返礼品」がもらえるのか、見ることができます。ランキングで出てきますので、気になったものの画像をクリックしてみましょう。
そうすると、その返礼品の「生産者の声」や、受け取った人の「レビュー」、「発送時期」「寄付証明書の送付時期目安」「賞味期限」などが見れますので、チェックします。
気に入ったら「カートに入れる」のオレンジ色のボタンを押します。
そして、「この地域の寄付手続きへ進む」をクリックします。
2. サイトから寄付手続きをして、返礼品と証明書を受け取る。
そうすると、「寄付者情報の入力」画面へ進みます。
名前、住所、電話番号など、入力必須事項を入力していき、決済方法、返礼品の届け先の住所を指定したら、「入力情報の確認」をクリックします。
入力情報に間違いがなければ、「上記注意事項に同意の上、送信する」のボタンを押します。
これで、完了です。
あとは、
発送時期、寄付証明書の送付時期を確認して、お礼品が届くのを待ちます。
寄付証明書は、次の税金控除の際に必要になるので、大事に保管しておきましょう。これがないと、税金控除が受けられません!
発送時期については、早いものから、けっこう待たされるものまで、様々な条件がありますので、必ずチェックしたほうがいいです。
他にも、「なんとなく、こんなものが欲しい」という場合は、「人気ランキング」の隣の「お礼品から探す」を押すと、カテゴリー別で表示されます。故郷や地域で選びたい場合は、その隣の、「地域から探す」で、都道府県別に選ぶこともできます。
※ 直接、自治体に申し込むこともできますが、「さとふる」のような、ふるさと納税に特化したサイトを使ったほうが、品物の発送が早かったり、手続きもスムーズだったりますので、そういったサイトを利用することをオススメします。
ふるさと納税の税金控除申請の方法
税金控除ができるからこそ、「ふるさと納税」は、お得感があります。住んでいる自治体の、住民税(もしくは所得税)の控除ができます。この、税金の控除申請は、「確定申告」か、「ワンストップ特例制度」で行います。
ワンストップ特例申請は、確定申告の面倒な手続きを軽減するために、普段、確定申告の必要のないサラリーマンの方々を対象にした、控除申請システムです。
ワンストップ特例制度が利用できる条件は、
- 確定申告が必要のないサラリーマンで、寄付した自治体が5つ以内の場合。
それ以外は、確定申告での申請になります。
- 確定申告が必要でないサラリーマンでも、寄付した自治体が5つ以上の場合。
- 確定申告が必要なサラリーマンの場合
- 自営業者
上記に当てはまる人は、ワンストップ特例申請は利用できません。
確定申告が必要なサラリーマンとは…
- 給与の年間収入が2,000万円を超える人
- 給与以外の副業で20万円以上の所得がある人
- 2カ所以上から給与を受けている人
以上は主な、サラリーマンで確定申告が必要な方の条件ですが、その他でも、確定申告が必要な場合がありますので、確定申告が必要かどうかは、国税庁のサイトで確認してください。⇒サラリーマンで確定申告が必要な人
確定申告で申請をする場合
確定申告の書類の中の、「寄付金控除」の項目で「都道府県、市区町村に対する寄付金(ふるさと納税など)の項目があるので、そこに、金額を記入して、送られてきた、「寄付金受領証明書」を台紙に添付して、税務署へ提出します。
サラリーマンの確定申告⇒http://biz-owner.net/kakutei/kyuyo
総務省、ふるさと納税の寄付金控除⇒https://goo.gl/1YjTpM
ワンストップ特例制度の場合
サラリーマンでも、一部の住宅ローン控除一年目に該当する方や、副業などで、給料以外に収入がある人は、利用できないので、気をつけてください。
また、サラリーマンで、確定申告の必要がない人でも、6つ以上の自治体に寄付をした場合には、このワンストップ特例制度が利用できませんのでご注意を。
ワンストップ特例制度に必要なもの
- 申告特例申請書
- 個人番号確認の書類
- 身分証のコピー
まず、申告特例申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申告書)は、寄付の都度送付する必要があります。申請書は、自治体によって入手方法がことなるので、「さとふる」のページでダウンロードするのが、最も簡単でしょう。
詳しくはこちら⇒「さとふる」のワンストップ特例制度のページ
ワンストップ特例制度は、1月1日から12月31日の一年間の「ふるさと納税」による寄付金の税金控除を、次の年の、1月10日までにしないとダメです。複数の自治体に寄付をした場合は、それぞれの自治体に期限日までに申請書が届かなければ税金の控除が受けられません。なので、余裕をもって準備してください!
申請書と一緒に贈るものは、次の1~3 のうち、どれかを選ぶことができます。
1. マイナンバーカードのコピー(必ず両面)
2. 番号通知カードのコピー もしくは住民票[番号あり]のコピー と、
運転免許証のコピー もしくはパスポートのコピー
3. 番号通知カードのコピー もしくは住民票[番号あり]のコピー
健康保険証か、年金手帳など、公的書類2点以上のコピー
2017年、ワンストップ特例申告を利用できない、サラリーマンのために、確定申告がより簡単にできる「カンタン確定申告」というサービスが、「さとふる」のサイトにできました。しかし、次の条件を全て満たしてないと利用できません。
- 給与支払先が一箇所で、源泉徴収票が1枚であること
- 給与の年間収入金額が2000万以下で、年末調整済みであること
- 給与所得以外の所得がないこと
- カンタン確定申告で申告するのは、ふるさと納税に関する寄付金控除のみであること
- 住宅ローン控除の適用を受けられる予定がないこと (住宅ローン控除の詳しい説明についてはこちら⇒「住宅ローン控除(減税)」をわかりやすく解説)
- 前年の1月1日から12月31日までにふるさと納税を行っていること
- 年末調整で適用を受けた控除の変更や、適用を受けていない控除の変更がないこと
- ワンストップ特例申請を利用していないこと
※ 確定申告を選択する場合、ワンストップ特例申請は無効になります。ワンストップ特例申請済の控除金額についても確定申告が必要になります。
こちらは、「さとふる」の『カンタン確定申告』のページに詳しい説明があります。ページはこちら⇒さとふるの簡単確定申告
4. ふるさと納税をする前に必ず確認しておくこと。
ふるさと納税に関する注意点
① ふるさと納税の限度額には限度がある。
ふるさと納税を行う際の控除上限額は、年収や家族構成によって異なります。この、上限額を超えて寄付をしてしまうと、実質負担金が増えてしまいます。自分の税金控除の限度額を把握しておいて、それを超えないようにするのがベストです。限度額については、こちらの早見表を参考にしてください。しかし、こちらもあくまで参考程度ですので、正確な金額が知りたい場合は、税理士さんに相談してください。
② 確定申告とワンストップ特例申告では、控除の仕組みが少し異なる。
確定申告で手続きした場合は、所得税と住民税から税金が控除されますが、
ワンストップ特例申請では、住民税のみから税金が控除されます。
合計金額はどちらも同じですが、金額が違うのでは?と思ってしまう人もいるので、この違いは、知っておいた方がいいです。
③ ふるさと納税の申請者の名義と、寄付金を支払う人の名義は同じになるように注意する。
名前が違うと、税金控除が受けられない可能性があります。
④ 住宅ローン控除を受けている場合は、しっかりと控除額を計算した上でふるさと納税を利用する。
住宅ローン控除とふるさと納税による控除をセットで受けることは可能です。が、住宅ローン控除は、ふるさと納税と同じく、住民税からの控除になるので、極端に言えば、住宅ローン控除で、住民税の全額を減税できる場合は、逆に、ふるさと納税の寄付金の額が、まるまる実質負担金になってしまいます。このように、住宅ローン控除額を把握せずに、ふるさと納税をしてしまうと、実質負担金が増えてしまう可能性があります。
⑤ 返礼品は、一時所得として計算する必要がある
返礼品は一時所得として計上されますが、それによって、所得税が増えるということはありません。
(収入金額 - 経費 - 50万円)X 1/2
が、一時所得の課税の計算式になりますが、ふるさと納税の場合は、経費は発生しません。なので、収入が50万円を超えない限りは、課税されません。50万円分の返礼品となると、倍の100万円ぐらいは寄付する計算になるので、ほとんど人は関係ありませんが、収入がたくさんある人は、このことを知っておかないと、損をしてしまう可能性もあります。
①から⑤を把握しておかないと、やってから、失敗した…ということになりかねません。ご注意を。
ふるさと納税のまとめ
ふるさと納税は、実質負担、2000円で豪華な「返礼品」がもらえる、とてもお得な制度です。
そして、運営資金で苦しんでいる自治体に、寄付という形で貢献できる制度でもあります。
実際の利用方法(のなかでも一番簡単な方法)は…
1. ふるさと納税のポータルサイトで寄付したい自治体を選ぶ。
2. 選んだ自治体に寄付をして、ふるさと納税の申し込みをする。
3. 確定申告か、ワンストップ特例制度のどちらかで税金控除のための手続きを行う。
(パソコンがあれば、)この3ステップで、申し込みが完了します。
興味を持ったか方は、この機会に、ぜひ、ご利用ください。
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